筋トレの3原理5原則とは、以下のものである。
- 過負荷の原理
- 特異性の原理
- 可逆性の原理
- 全面性の原則
- 個別性の原則
- 意識性の原則
- 漸進性の原則
- 反復性の原則
別に知っていなくても筋トレしていれば筋肉は付くけれど、
理屈を知っているかどうかでトレーニングに対する向き合い方は大きく違ってくる。
向き合い方が変われば、結果が変わる。
という事で今回は筋トレの3原理5原則と
そもそも誰が考えたものなのか?について解説していく。
3原理について
過負荷の原理

過負荷(強度の高いトレーニング)の刺激が加わることで機能が向上する。
筋肉を大きくしたいなら、少しづつ負荷を上げていかなければならない。
ただし、単純に扱う重量を大きくすればいいという単純な話ではない。
高重量にしても、フォームが雑になったり可動域が狭くなったら
結果として負荷は変わらいどころかむしろ軽くなってしまう。
同じ重量でもrep数を増やす、いつもよりフォームを綺麗にする。いつもよりゆっくり上下する。
こういった所でも過負荷を与える工夫ができる。
大事なのはキツいと思う所までやる事だ。
特異性の原理

トレーニングの内容に応じた効果が現れるというもの。
競輪選手は馬みたいな足をしているが、腕周りが太いわけではない。
また体操選手は上半身はムキムキだが、ボディビルダーのように体全部が太いわけではない。
つまり体全体に筋肉を付けたいなら、全身の筋トレを行う必要がある。
可逆性の原理

トレーニングで得た体は、やめると元に戻ってしまう。
ボディメイクを頑張る人にとって、この原理は恐怖でしかない。
一度筋トレでいい体になったが最後、その体を維持するためには
死ぬまでトレーニングを続けなければならないのだ。
5原則について
全面性の原則

鍛える部分が偏っていたりすると怪我しやすくなるから、全体的にバランスよく
トレーニングしましょう。という原則。
上半身のトレーニングばっかりやっていませんか?スクワットから逃げるな。
個別性の原則

トレーニングメニューは個人の特性に合わせたものにしましょう。という原則。
20代の若い男性と50代の女性では、身体能力を向上させるのに必要な
トレーニングメニューは当然ながら違う。
自分の扱える負荷に適したメニューを組むことで、効率よく体を鍛える事が出来るのだ。
また骨や関節の強さも人によって全然違う。
ここら辺が強い人はガンガン高強度のトレーニングをすればいいし、
弱い人は怪我をして寿命が縮まるだけなので別のトレーニングに切り替えた方がいい。
意識性の原則

今何を目的にトレーニングしているのか?自分がどうなりたいのか?
そういった意識の持ち方で結果が変わるという原則。
ボディビル王者の横川尚隆氏はトレーニングをする際に
「今どの筋肉が収縮、ストレッチしているのかを
意識するとのしないので、大きくなり方が不思議なくらい変わる」
と言っていたが、まさにこの原則を活用しているのだろう。
ただダンベルを振り回すのではなく、どの筋肉を使っているのか
頭の中でイメージするようにしよう。
また鏡を見ながらトレーニングするのも有効だ。
筋トレをしている人はここを見落としがちなので、是非覚えておいてほしい。
漸進性の原則

能力の向上に応じて、負荷を上げていく必要がある、という原則。
同じトレーニングばかりやっていても、どこかで頭打ちになってしまう。
強くなる→負荷を上げる→強くなる→負荷を上げる
これを繰り返すことで筋肉は成長し続ける事ができる。
復性の原則

トレーニングは何度も繰り返して行う事で能力が向上する。
ダンスだと分かりやすいが、始めた頃は複雑な動きに体が全然ついていかない。
なぜか?頭からの司令から体を動かすまでに至る神経が発達していないから。
これを何度も何度も繰り返す事で体に覚えさせて、ようやく
思った動きと実際の動きを一致させる事ができる。
つまり、できない人は根性が無い訳でもなくセンスが無い訳でもなく物理的に無理なのだ。
筋トレにも同じ事が言えて、何度も同じ動作を繰り返す事でその動作に体が馴染んでくる。
そうすると更に重い重量が扱えるようになり、筋肉は成長する。
そもそも誰が考えた?

名古屋学院大学のスポーツ健康学部長を務める齋藤健治氏の書いた論文
「トレーニングの原理・原則」に関する一考察
では下記のような記述がある
表1および下表に,著書,教科書に記述されている「トレーニングの原理・原則」について,また図1に,それぞれの「原理・原則」の記述回数を参考著書数16の中での「出現率」を示した。合わせて,「原理」として記述される割合も示した。時代をさかのぼると,「原理」として記述される項目はなく,当初「原則」として記述されているものが,徐々に「原理」として記述されることが増えたり,「原理」と「原則」を分けて説明する記述が一般的になったりしたようである。また,英文書でのprincipleが,和訳の際に「原理」と訳されたり,「原則」と訳されたりというバラツキも散見された。
引用:トレーニングの原理・原則|齋藤健治

引用:トレーニングの原理・原則|齋藤健治
ここから考えると、最初は1966年に発刊された
「スポーツマン教科書」(著ニコライ・オゾリン / ロシアの棒高跳び選手)が原点となり
そこから原理原則を考えた書籍が次々と発行されて今に至る、という感じだ。
歴史的に言えばこの考えはまだ新しく、著者によって微妙に考えがアレンジされている。
よって今後、3原理5原則が4原理7原則になったりするかもしれない。
まとめ
- 過負荷の原理(軽い負荷じゃダメだよ)
- 特異性の原理(鍛えた所だけ強くなるよ)
- 可逆性の原理(トレーニングやめたら元に戻るよ)
- 全面性の原則(バランスよく鍛えてね)
- 個別性の原則(体にあったトレーニングにしてね)
- 意識性の原則(どの筋肉を使ってるか意識してね)
- 漸進性の原則(負荷を上げていってね)
- 反復性の原則(何回も繰り返してね)
今回は3原理5原則の内容と元ネタについて解説した。
個人的には
意識性の原則
漸進性の原則
この2つは頭から抜けがちなので、今より意識して今後のトレーニングに取り組みたい。
体作りを頑張っている人は参考にしてみてほしい。
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