OSMO POCKET 3 静止画レビュー【写真機として使える?】

動画撮影機として非常に評価の高いDJI Osmo Pocket3。

紹介レビューでは動画撮影の機能ばかりが注目されがちだが、
Pocket3には写真を撮影する機能も当然ながら備えている。

ではその写真機能はどれほどのものなのか?
デジカメまたはスマホの代わりになり得るほどの能力を持っているのか?

今回はPocket3の写真機能にフォーカスして撮影能力を検証していく。

Pocket3の写真用スペック

項目詳細
カメラ1インチCMOSセンサー
レンズ焦点距離 20mm
絞りf/2.0
フォーカス範囲0.2m~∞
ISO感度50~6400
静止画サイズ16:9 3840×2160
1:1  3072×3072
ズーム2倍デジタル
DJI 公式HPより

カメラスペックだけで言えば1インチセンサー搭載で
静止画サイズが1:1で940万画素なので
センサーサイズは十分だが画素数がちょっと少ないかな?といった印象。

Pocket3の写真の撮影モードは大きく分けて4つあり、

この4種から選ぶ事になる。
パノラマ(180度)はジンバル左から右へ4回撮影。
パノラマ(9×9)は左下から右上にかけて9回撮影し、
その合成を一枚の写真にする機能になっている。

9×9撮影

ただし、パノラマは複数の写真を撮って一枚に合成するので
自動で撮影を行っている間はPocket3を固定しておく必要がある。

三脚を使うか、手でじっと持っておかないといけないので、
スナップショット的な感じで気軽に撮るのは少し難しいかもしれない。

よって写真を撮る場合は1:1か16:9を使うことが多くなりそうだ。

撮影の設定

写真撮影に関して設定は全ておまかせのオートモード
設定を細かく調整できるプロモードが存在するが、プロモードでも

  • 露出
  • ホワイトバランス
  • フォーマット(JPEG or JPG + RAW)、
  • フォーカスモード(シングルor連続)

といった項目が調整可能だが、
一般のデジカメにあるような

  • 絞り値
  • シャッタースピード、
  • 保存画質

等の設定項目が無いので凝った設定は出来ない。
言うなればここはオート固定。

撮影距離

公式には0.2m~となっているが、実際はもう少し近く(150mm程)までピントは合う。

ただし、標準の画角がけっこう広い(焦点距離20mm)ので、
小さいものを撮影するのは向いていない。
(撮るには寄らなければならないが、150mm以下だとピントが合わない)

よってPocket3はGoProと同じく全体を見渡すような撮影が得意だと言える。

iPhoneの広角(通常)カメラの焦点距離は26mmで超広角カメラの焦点距離は13mm
Pocket3の焦点距離は20mmなのでiPhoneで言えば
広角と超広角の中間の画角となる。なかなか広い。

画質は良いのか?

試しにテーブルに時計を置いて写真を撮ってみた。

背景のボケ感はまぁ悪くはないかな、といった程度だったが、
拡大しても時計の小さな文字がハッキリと見えたのは意外だった。

正直、写真性能についてはオマケ程度にしか思っていなかったが
存外に解像度はしっかり高い事が分かった。

撮影比較

Pocket3単体での撮影では相対的な判断が出来ないので、
次は比較としてスマホ(Google Pixel6)と
一眼レフ(ZV-E10 + SIGMA 16mm F1.4)を使用して
同じような画角で撮影してみた。

写真①

Pocket3
Pocket3 拡大
Google Pixel6

Google Pixel6 拡大

ZV-E10+SIGMA 16mm F1.4

ZV-E10 + SIGMA 16mm F1.4 拡大

写真②

Pocket3
Pocket3 拡大

Google Pixel6

Google Pixel6 拡大

ZV-E10 + SIGMA 16mm F1.4

ZV-E10 + SIGMA 16mm F1.4 拡大

ボケ感は一眼レフには到底叶わないが、
写真機として優秀なPixel6と近しい撮影が出来ている。

また拡大で比較しても他のカメラと遜色のない解像度となっており、
Pocket3の写真性能は必要十分な性能を持っていると言っても良いと思われる。

注意点もある

撮影中に気付いたが、ジンバル搭載であるが故に構図を決めようとする時に
カメラがワンテンポ遅れて付いてくるのはかなり気になった。

被写体にPocket3を向けてから画角が合うまでわずかに時間差があるので
動物や子供など、動きの多いものを撮ろうとした時に
ベストショットを逃してしまう可能性がある。

まぁ、そういう被写体は動画で撮る事が多そうなので
実用面では問題にならないのかもしれないが。

まとめ

写真の細かな設定は出来ない
解像度は意外と高い
ジンバルカメラなので構図決めがワンテンポ遅れる

個人的な感想として
思ったより写真性能は高かった。

なので旅行の動画も写真すべてコレ1台で収める、
という使い方は全然アリだと思う。

画質やジンバルの使い勝手を考えると
一眼レフの代わりには到底なり得ないけれど、
それを補って余りある動画性能を持っている。

いっそ4Kで撮影して気に入ったシーンを切り抜いて
写真として残すほうが使い方として正しいのかもしれない。

なお、買うなら通常版よりクリエイターコンボがオススメで、
理由は下記記事で説明している。

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